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井蛙内科開業医/診療録(2)

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2008年 07月 20日

かえる切り抜き帖 2008.7.20

独自の医師研修解禁 厚労省方針 大学病院に限り 
医師の臨床研修制度をめぐり、厚生労働省は、大学病院に限って研修プログラムの変更を認める方針を固めた。
地方の大学病院の研修医の少なさが、地方の医師不足の一因になっているとの指摘を踏まえた。
今後、各大学がどれだけ魅力的なプログラムをつくるかがカギとなる。

地方へ人材を誘導
識者らが研修制度について話し合う18日の厚労省医道審議会に提案される。
了承されれば、各大学病院は来春のプログラムの変更作業に着手。
毎年10月にある医学部卒業予定者(約8千人)と、臨床研修ができる病院(約1100施設)の希望すり合わせに間に合うようにする。
 
今回の措置は、モデル事業として実施。現在、「内科6カ月以上、外科3カ月以上」などと示されている研修内容の取り決めを、全国80の大学病院に限って弾力化する。
 
具体的には、各大学病院の研修医募集の定員数をもとに算定した枠内で、特定の診療科に集中して臨床トレーニングを行う「特別プログラム」の策定を認める。
 
対象となる特定の診療科は、「地域医療に影響がある分野」を想定。
実質的には、地域医療で不足感の強い産婦人科や小児科、救急などが軸になるとみられる。
 
逆に特別プログラムで特定の診療科で長期間研修すると、内科、外科などでの研修期間が短くなる欠点がある。
だが厚労省は、「人材が豊富な大学病院では、教育担当の指導医の充実により、初期診療に必要な総合力を育てられる態勢がとれる」(幹部)と判断。医師が卒後2年間で備えるべき基本的な診療能力の水準維持を引き続き求める。
 
厚労省によると、04年の臨床研修制度開始後、都市部で待遇のいい大規模病院に人気が集中。地方の大学病院からも都市部での研修を目指す新卒医師が増えた。
あおりを受け、若手医師が不足した地方の大学病院が、派遣医師を引き揚げる事例が頻発。地域の自治体病院や中堅病院での医師不足を加速したという。
 
08年度の大学病院の研修医募集定員の充足率は、弘前大(27.5%)、秋田大(32.6%)、岩手医大(37.1%)、三重大(23.1%)、岐阜大(35.1%)など。
東北、東海地区で定員割れが著しい。
厚労省は「魅力のある研修プログラムをつくってもらい、地方の拠点になる大学病院に人材が集まるよう期待したい」(幹部)としている。
出典 朝日新聞•朝刊 2008.7.18
版権 朝日新聞社
http://www.asahi.com/health/news/TKY200807170336.html


<コメント>
2004年度から必修化された臨床研修制度。
医療崩壊、医師偏在は明らかにこれを機に進んでいます。
厚生労働省は自らの過ちを認めることなく、誰が考えても付け焼き刃的な愚策を行うことになりました。
大学病院の研修医の少なさは、研修プログラムを変更することで改善されるわけがありません。
抜本的な改革が必要なのです。
「医師確保ビジョン」を具体化するための検討会(座長•高久史麿自治医大学長)の初会合が7月17日に開かれたとのこと。
医療費抑制策に切り込まずに話がうまくいくはずはないのですが、きっとそんな話は出そうにありません。

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出典 日経新聞・朝刊 2008.7.19
版権 日経新聞社

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by wellfrog2 | 2008-07-20 00:15 | 未分類


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