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2008年 11月 17日

睡眠時間と高齢女性の転倒リスク

睡眠時間が短い高齢女性は転倒リスクが高
カリフォルニア太平洋医療センター研究所(サンフランシスコ)のKatie L. Stone博士らは,70歳以上の女性2,978例を対象に睡眠と転倒の関係を検討した結果,睡眠時間が5時間以下の女性は,7〜8時間以上の女性に比べ転倒リスクが高いとArchives of Internal Medicine(2008; 168: 1768-1775)に発表した。

睡眠の時間と質が影響
転倒は高齢者の健康を損ねる大きな要因で,死亡,罹病さらに施設への早期入所をもたらす大きな原因である。
毎年,65歳以上の高齢者の約3分の1が転倒しているという。
近年,高齢者の不眠や睡眠障害が増えており,ベンゾジアゼピン系薬の使用も増加しているが,睡眠薬の処方を受ける高齢者で転倒リスクが上昇するのは,睡眠不足によるのか,あるいは睡眠障害の治療薬に起因するのかは不明であった。
 
Stone博士らは70歳以上の女性2,978例について,アクチグラフィー(手首に装着して活動量と睡眠を測定する器具)と睡眠日誌を用いて,睡眠,睡眠効率(床に入っている時間のうち実際に眠っている時間が占める割合)と転倒の頻度を検討した。
また,アンケートを行い,人口統計学的な情報とベンゾジアゼピン系薬の使用状況を調査した。
 
被験者の夜間睡眠時間は平均6.8時間で,就寝から入眠までは平均77.2分を要していた。睡眠データの収集開始後1年間の平均転倒回数は0.84回であった。549例(18.4%)は,調査開始後の1年間に2回以上転倒した。
 
1年に2回以上転倒するリスクは,睡眠時間が5時間未満の女性のほうが7〜8時間以上の女性より高かった。
睡眠効率が70%未満の女性は70%以上の女性に比べ転倒リスクが1.36倍高く,また就寝から入眠までの時間が長い(120分以上)女性は120分未満の女性に比べ,同リスクが1.33倍高かった。
 
また,214例(7.2%)がベンゾジアセピン系薬を使用中であると回答した。
短時間型および長時間型を合わせた同薬の使用は1.34倍の転倒リスクと相関し,短時間型のみでは1.43倍,長時間型のみでは1.18倍のオッズ比と相関が認められた。
 
同博士らは「不眠に対する新世代薬剤や不眠に対する行動療法が転倒リスクに及ぼす影響を明らかにするには,ランダム化比較試験などの臨床試験を行う必要がある」と述べている。
さらに睡眠に対する包括的で客観性の高い指標を用いて,睡眠障害の各種要因(睡眠時呼吸障害,低酸素症,睡眠時間と睡眠分断の指標など)の相互作用を検討し,これらの要因が転倒リスクに及ぼす影響を明らかにする必要性も強調した。

出典 Medical Tribune 2008.11.13
版権 メディカル・トリビューン社


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世界糖尿病デーの14日夜、ブルーにライトアップされた名古屋城=名古屋市中区
http://sankei.jp.msn.com/photos/life/trend/081114/trd0811142349013-p10.htm


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 青色にライトアップされた東寺の五重塔=14日午後6時18分、京都市南区(撮影・柿平博文)
http://sankei.jp.msn.com/photos/life/trend/081114/trd0811142349013-p1.htm


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青色にライトアップされた東寺の五重塔=14日午後7時36分、京都市南区(撮影・柿平博文)
http://sankei.jp.msn.com/photos/life/trend/081114/trd0811142349013-
p2.htm

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by wellfrog2 | 2008-11-17 00:14 | 未分類


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