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井蛙内科開業医/診療録(2)

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2008年 11月 20日

アトピー性皮膚炎と魚類摂取

アトピー性皮膚炎   乳児期早期の魚類摂取でリスクが低下
イェーテボリ大学(スウェーデン・イェーテボリ)小児科のBernt Alm博士らは,生後9か月以前の食事に魚類を取り入れるとアトピー性皮膚炎発症リスクを減らすことができるとArchives of Disease in Childhood(2008;オンライン版)に発表した。

発症率が急上昇
Alm博士は「ここ数十年,先進国におけるアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の発症率は急激に上昇している。
これには環境や食事が関与していると考えられる」と述べている。
 
同博士らは2003年3月にスウェーデン西部に生まれた生後6か月の乳児の親に,児の食事やアトピー性皮膚炎に関する質問票に回答してもらった。
また,小児が月齢12か月の時点で再度,質問調査を行った。
 
今回の調査で対象となった乳児約1万7,000例は,乳児の健康を長期的に経過観察している「スウェーデン西部の乳幼児」研究の参加者。
出生に関するデータおよび6か月時と12か月時の質問票2組は8,000世帯中5,000世帯から回収できた。
 

質問票の回答によると,全世帯の13%が生後6か月時点で一番末の児にアトピー性皮膚炎が発症したことを報告していたが,月齢12か月に達した時点では5人に1人が発症していた。
最初に症状が顕在化した平均月齢は4か月であった。

これは遺伝子の影響が大きいと考えられた。
同胞や母親がアトピー性皮膚炎の症状を有する乳児は,月齢12か月までにその影響を受ける可能性が倍増するという。
 
同博士らによると,母乳育児,乳製品を食事に取り入れるタイミング,毛足の長いペットを室内で飼っていることは発症リスクに影響を与えなかったという。
ペットを飼っていたのは5世帯に約1世帯であった。
 
しかし,月齢9か月までに食事に魚類を取り入れることでアトピー性皮膚炎の発症リスクは25%低下した。
また,鳥を飼うこととリスク低下との有意な相関も認められた。

出典 Medical Tribune 2008.11.13
版権 メディカル・トリビューン社


<コメント>
乳児期早期の魚類摂取がアトピー性皮膚炎の発症をを防ぐ。   
その機序を是非知りたいところです。


アトピー性皮膚炎と魚類摂取_f0174087_8361773.jpg

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by wellfrog2 | 2008-11-20 00:14 | アレルーギー科


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